本研究は中国と台湾地域および韓国・ベトナムの海外共同研究者からご協力を仰いで実施している。今年度、真柳は台湾および日本に所蔵される中国・日本・韓国・ベトナムの古医籍を調査し、調査データの集計・分析・報文作成を担当した。また海外共同研究者として国立政治大学(台北)の林宏明助理教授が台湾所蔵情報の事前調査と集計を担当した。 以上について各蔵書機関の目録より中・日・韓・越の古医籍を抽出、版本書誌等の嫌疑点は実地調査で解決した。このため真柳は国内3回、台湾2回(2006年8月7日〜9月26日、2007年2月6日〜同月9日)の調査研究旅行を行い、台湾の2回目は院生1名が調査助手として随行した。林氏は日本に1回(2006年7月9日〜2006年8月7日)の研究打ち合わせ旅行を実施した。調査した各国古医籍の書誌データは、内容分野ごとに著者・成立年・刊年(写年)・刊行回数、さらに各国版(写本)の刊年(写年)・刊行回数・底本伝来年等を集計し、分析を開始している。 台湾地域の主要な蔵書機関の一つである故宮傅物院図書文献館に所蔵される各国の古医籍について、すでに真柳は全調査を完了し、約400点個々の書誌データを整理した「台湾訪書志I」として月刊学術誌に5年強にわたり連載し、2007年2月に完結した。今年度は国家図書館〔台北〕所蔵の各国古医籍約320点についても調査を完了させることができたので、同様に「台湾訪書志II」として月刊学術誌に2007年4月より連載を開始することにした。同図書館からは全点につき解像度が高い巻頭の電子図版も提供いただいたので、掲載の完結には3年以上を要するだろう。 今年度は個別に得た研究成果も多数あるが、それらについては次年度以降の調査研究と統合して報文を作成する。
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