安武は、研究費を予定していた海外での調査活動は行わず、邦語文献の購入に使用した。というのは、所属する甲南大学から、2009年度の在外研修を認められ、2009年3月26日から1年間米国ハワイ大学マノア校を拠点に調査活動を行うことが可能になったからである。時間的にも経済的にもハワイ及び米国での調査活動は2009年度に行う方が効率的である。一方、邦語の関連資料へのアクセスが困難となることが予想された。従って、研究費は、当初予定していた海外調査活動ではなく邦語文献資料の購入に使用することになった。 ハヤシは I 2008年4月に、HawaiiにあるUniversity of Hawaii、Chinese History Center、Hawaii State Archivesに保存されているOSSと関わるアジア系アメリカ人資料と記録を収集し、さらに、OSSメンバーと遺族をインタビューした。 II 2008年夏休み中に 1)University of MichiganのBentley Library archivesにあるOSS上層部メンバーであったEsson Gale、Joseph HaydenとRobert Hallに関する資料、2)Washington DCにあるOSSに関する記録、特にOSSに所属したアジア系アメリカ人とかかわり、カギとなる個人的な記録、3)Rockefeller Archives Centerに保存されているOSSのと極東企画研究部日本科のトップであったCharles Burton Fahsに関する資料、4)Stanford Universityに保存されているNorwood Allman、Carl Eiffler、Eugene Doomanに関する資料、5)UCBにある出版されなかったOSSのアジア系アメリカ人に関する資料、を収集した。収集した以上資料を通じて、OSSの上層部は二次戦争中に東アジアに対する方針、政策、およびアジア系アメリカ人の役割を明確することができると考えている。
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