研究概要 |
平成19年度において,以下の研究を実施した。 1.1948年に,ロシア科学アカデミーのキセリヨフ教授によって発掘され,現在モンゴル国立考古研究所保管のカラコルム遺跡出土陶甕器の実測・撮影・調書の作成を,8月に9日間,4名で実施した。あわせて,同研究所所員に対して,陶甕器調査の方法を指導し,将来自力で調査が出来るように養成指導を行った。 2.18年度に,モンゴル国立歴史民族博物館保管の同上遺跡出土陶甕器について調査を実施したので,報告書Ceramics Discovered at the Kharhorum Site I (カラコルム遺跡出土陶甕器調査報告書1,64ページ,日本文に英文サマリーを添付)を7月に刊行した。 3.中国東北部および内モンゴル地域の陶甕器研究の最新情報を得る目的で,吉林大学辺彊考古研究中心 彰善国教授を招請し,福岡・徳島におけるわが国の研究状況を視察し,東京において専門研究者による研究会を実施した。 4.研究代表者は,7月に9日間にわたり,同上地域の遼代から元代の墳墓出土陶甕器,内モンゴル地域の白甕窯跡,包頭における河津遺跡出土品について,撮影および調書の作成を行った。 5.江上波夫氏が収集し,現在東京大学東洋文化研究所および横浜ユーラシア文化館に保管されている内モンゴル・オロンスム遺跡出土陶甕器について実測・撮影・調書の作成を行った。 6.中央アジア地域出土の元代陶甕器の年代を探るために,国内の同時代遺跡(奈良・福岡他)とフィリピン・サンタアナ遺跡出土陶盗器(フィリピン国立博物館保管)の調査を行った。
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