研究分担者 |
小木 裕文 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70160786)
張 長平 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (50351185)
張 貴民 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50291620)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 准教授 (40350300)
尹 秀一 創価大学, 別科日本語研修課程, 教授 (00240177)
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研究概要 |
本研究では,中国の改革開放以後,増加している在日華人ニューカマーズの中国における送出プロセスを,中国における現地調査によって明らかにすることを目的とした。本年度は,昨年度実施した中国における予備調査を踏まえて,以下の2か所の研究対象地域において,華人ニューカマーズの送出プロセスに関する実態調査を実施した。 (1)福建省福清市 この地域は明治期より日本への出稼ぎ者が多い地区で,伝統的な「僑郷」(「華僑の故郷」という意味))である。1980年代半ば以降,多数の福清出身者が日本へ渡った。調査では,多くの日本からの帰国者から渡日の動機・プロセス,滞日時の状況,帰国後の状況などについて詳細な聞き取り調査を実施することができた。 (2)吉林省延辺朝鮮族自治州 この地域は,1990年代以降,渡日者が急増した新しい「僑郷」と位置付けることができる。延辺朝鮮族自治州の州都延吉とその近郊で,日本からの帰国者,日本留学斡旋業者,日本語教育機関などから聞き取り調査を実施した。渡日者の多くは,日本語教育を受けた朝鮮族であり,福建省福清市の状況とは異なる点が多かった。 上記の両調査において共通にみられた状況は,中国人就学生に関する日本側の入国管理が厳格化したことにより,渡日のビザ取得が困難になってきており,日本以外の外国への渡航者が増えていることである。本年度で明らかになった諸点を,最終年度(平成20年度)の調査でさらにデータを収集し,成果を集大成する予定である。
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