チベットでは、1966-77年の文化大革命を経て、1978年以降の改革開放政策という政策転換のもとに伝統文化や僧院の復興が進み、チベット族としてのアイデンティティが再び形成されるようになっている。本研究計画は、ウ・ツァン地方、カム地方、アムド地方における文化復興の実態を広域的実地調査により明らかにすると同時に、集中的実地調査をもとに、僧院・祭りの復興、観光化、チベット族-漢族-回族という多民族間関係の分析に基づき、チベット族における文化復興とアイデンティティ形成のメカニズムを文化人類学視点から解明することにある。
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