• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

東アフリカにおける暴力の諸相に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18401038
研究機関熊本大学

研究代表者

慶田 勝彦  熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)

研究分担者 浜本 満  九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (40156419)
花渕 馨也  北海道医療大学, 大学教育開発センター, 准教授 (50323910)
田川 玄  広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
キーワード文化人類学 / 東アフリカ研究 / ミジケング / コモロ諸島 / オモロ系集団 / 暴力 / 植民地行政 / グローバル化
研究概要

本年度は、当初の計画通りに各研究者が約1ヶ月の調査を実施し、帰国後の研究会での調査報告および議論を通じて、当研究課題に関する各々の主題を明確にした。その成果は、年度末に刊行した中間報告書(『熊本文化人類学』第5号 特集:東アフリカにおける暴力の諸相に関する人類学的研究 1-84頁)において各自2〜3万字程度の論文としてまとめられている。以下、具体的な成果について研究者ごとにその概要を示す。
慶田(代表者)は、ケニア海岸北部(2007年8-9月)でケニア独立期の1964年に生じたシフタ(ソマリ系武装集団)襲撃によって難民化した北部ミジケンダの人びとの歴史と現在に焦点をあて、彼らによって語られる暴力の起源と帰属集団の起源に関する語りから、ギリアマ人のノマド的性格を明らかにした。
浜本(研究分担者)は、ケニア海岸南部(2007年8-9月)でドゥルマ人の集住地区を中心に調査を行い、この地方で歴史的に反復される大規模な対妖術実践(しばしば暴力沙汰を引き起こす)のいくつかの事例を丹念に追いながら、現代における対妖術実践が植民地時代の地方行政の遺産によって再生産されている点を明らかにした。
花渕(研究分担者)は、コモロ諸島(2007年8-9月)でムワリ島のある村において婚姻関係や階梯制度の組織に影響を及ぼしている二つの女性出自集団間の長年の対立関係が、意識的な無視や悪口など、物理的暴力へとは至らない静かな暴力として維持されている仕組みについて調査し、その仕組みを解明した。
田川(研究分担者)は、エチオピア(2007年8-9月)でオモロ系ボラナ人とグジ人の紛争の歴史および2006年の紛争についての調査を通じて、ボラナが近代エチオピア国家に侵略された19世紀末以降の民族間の暴力の経緯と現代のエチオピア国家と民族間暴力との関係を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 妖術観念の持続と暴力の再生産-ケニアコーストにおける植民地行政の遺産2008

    • 著者名/発表者名
      浜本 満
    • 雑誌名

      熊本文化人類学 第5号

      ページ: 23-47

  • [雑誌論文] 暴力の痕跡とギリアマのノマド的性格-1964年シフタ襲撃によるケニア海岸北部カコネニ難民の事例から2008

    • 著者名/発表者名
      慶田 勝彦
    • 雑誌名

      熊本文化人類学 第5号

      ページ: 49-70

  • [雑誌論文] 現代エチオピアにおける民族間暴カ-2006年におきた南部エチオピアのオモロ系集団ボラナとグジの紛争を中心に2008

    • 著者名/発表者名
      田川 玄
    • 雑誌名

      熊本文化人類学 第5号

      ページ: 71-84

  • [雑誌論文] シュングにおける悪態と嘲笑-共同体・暴力・遊び2007

    • 著者名/発表者名
      花渕 馨也
    • 雑誌名

      熊本文化人類学 第5号

      ページ: 3-22

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi