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2008 年度 実績報告書

東アフリカにおける暴力の諸相に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18401038
研究機関熊本大学

研究代表者

慶田 勝彦  熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)

研究分担者 花渕 馨也  北海道医療大学, 大学教育開発センター, 准教授 (50323910)
キーワード東アフリカ / ケニア海岸地方 / コモロ諸島 / エチオピア / 難民 / 開発と妖術 / 国家権力 / 植民地化の遺産
研究概要

研究代表者の慶田は、研究分担者および研究連携者と協力して研究の総括を行った。本研究では現代アフリカにおいて生じている暴力を考える際に、各研究者が今回対象とした社会の固有の文化を記述するだけでは多様な暴力的現象を説明できないことが明らかになった。特に、植民地化および独立期・独立以後に作られた政治・経済的な制度やカテゴリーが暴力的な現象の源泉になっている点が示唆され、民族や文化の違いによって生じていると語られてきた暴力、あるいは妖術のようなローカルな文化内部で発現しているように語られてきた暴力を伴う事象でさえも、植民地統治およびその統治のあり方を全面的には解消できなかった独立国家の政治・経済的施策の産物であることが報告された。上述したような調査研究を通じて最も興味深く、最も収穫があった点は、ある集団への敵意や悪意が暴力的な形態をとる場合は、社会・文化的想像力の領域だけではなく、その領域に介入し、また、その想像力の一部として機能する政治的な意思決定や合意形成、さらにはグローバルな諸力の編成そものものが、現地の文化とは異なる性格をもつ想像力の産物である点が示されたことである。。
本研究の具体的な成果としては、2008年度の「中間報告」を発展させて作成した「研究成果報告書」がある。この成果に関しては2009年3月24日に熊本大学で研究報告会を開催し、各研究者が発表した。その際、外部の評価を得るためにスーダンの紛争に詳しい一橋大学の岡崎彰氏にコメント、批評を依頼した。また、報告会は熊本大学大学院社会文化科学研究科のフィールドリサーチ研究コース・領域の「第5回フィールドリサーチ・セミナー」として公開し、学生、院生を含む一般公開とすることで、研究成果をより広く社会に還元することに務めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ケニア独立期における海岸北部の暴力と逃走者たちの物語り2009

    • 著者名/発表者名
      慶田勝彦
    • 雑誌名

      『東アフリカにおける暴力の諸相に関する人類学的研究』(平成18-20年度・科学研究費補助金・基盤研究B・研究成果報告書研究代表者 : 慶田勝彦)

      ページ: 1-28

  • [雑誌論文] アンジュアン島紛争の動向-コモロ連合国における地域対立の新たな構図-2008

    • 著者名/発表者名
      花渕馨也
    • 雑誌名

      アジ研ワールド・トレンド 158号

      ページ: 29-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 移動と連帯と友愛-マルセイユのコモロ人移民における社会関係の再編成-2008

    • 著者名/発表者名
      花渕馨也
    • 雑誌名

      北海道医療大学人間基礎科学論集 34号

      ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [学会発表] ポップアート化する祖霊 : ケニア海岸地方の祖霊木彫Vigangoの盗難をめぐって2008

    • 著者名/発表者名
      慶田勝彦
    • 学会等名
      POP AFRICA研究大会
    • 発表場所
      国士舘大学世田谷キャンパス梅ヶ丘校舎34号館3階
    • 年月日
      2008-11-16
  • [備考] 熊本大学文学部・文化人類学研究室所蔵雑誌等「科学研究費報告書」

    • URL

      http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/ihs/soc/anthropology

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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