研究概要 |
本年度は、9月に3週間エチオピアを訪れ、エチオピア暦パグメ月の5日間に開催される儀礼を参与観察するために南東部のアルシ地方の聖地ファラカサを訪れた。ムスリム女性聖者モーミナの墓廟があるファラカサでは、エチオピア正教会が定める年間祭礼が則っている太陽暦のエチオピア暦と、ムスリムの年間祭礼が定められる太陰暦のヒジュラ暦の双方に従って祭礼が行われているところに特徴がある。本年度は、例年祭礼が行われるパグメ月(9月6日から10日)が、ヒジュラ暦のラマダン月と重なったこともあり、独特の盛り上がりをみせていた。研究代表者は、本学大学院の院生(山森哲史)を同行させ、儀礼の過程を参与観察するとともに、聖者モーミナの子孫と交流を深め、アムハラ語で書かれたその人生史のコピーを入手することができた。 また9月17-18日には、エチオピア東部のイスラーム古都ハラル市において、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究センターが主催した国際ワークショップ“Preserving Local Knowledge in the Horn of Africa: Challenges and Prospects for Collaborative Research in Oral Literature, Music and Ritual Practices"で、研究発表を行った。
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