研究課題/領域番号 |
18401043
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
小熊 誠 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (90185562)
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研究分担者 |
上原 靜 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40320519)
周 星 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00329591)
潘 宏立 平安女学院大学, 人間社会学部, 准教授 (20321060)
何 彬 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (50305405)
萩原 左人 琉球大学, 法文学部, 准教授 (80284941)
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キーワード | 正月十六日祭 / 清明祭 / 門中 / 粟国島の祖先崇拝 / 洗骨儀礼 |
研究概要 |
本研究の1年目は、8月30日から9月7日の日程で福建省泉州市及び福州市において本研究参加者全員による調査を実地した。泉州市では、研究協力者である泉州海上交通史博物館館長の王連茂氏の案内で、磁〓鎮の龍竈跡調査と安渓の茶葉業調査を行った。さらに、泉州市内の祠堂調査を実施し、中琉交易の拠点である遠来駅跡を確認した。福州においては、福建師範大学中琉歴史関係研究所と学術交流を行った。その後は、各自の研究テーマに沿った調査を実地した。 福建と沖縄における祖先祭祀の比較研究の一環として、3月3日から8日の日程で、粟国島の正月十六日祭の実地調査を行った。粟国島では、旧暦正月十六旧に墓参りを行う習慣がある。沖縄における墓参りの慣習は、本来旧暦十六日に行われており、18世紀頃から琉球士族が中国の慣習を受け入れて清明祭が行われるようになったと言われている。沖縄本島では、一部を除いてほとんどが清明祭の墓参りを行うようになっているが、本島北部や勝連半島、沖縄本島周辺離島、さらに宮古、人重山では今でも正月十六日の墓参りが行われている。 粟国島では、正月十六日の他にも清明に墓参を行っている。正月十六日には、島の旧家は午前中に島の古い墓と言われているウヘージをお参りする。お昼から午後にかけて各家ごとに島の西にある墓地に供物をもって墓参りに出かける。この1年以内に葬儀があった家は、新十六日といってとくに丁寧に墓参りを行う。また、粟国島では、まだ火葬場がなく、現在も洗骨習俗が残っている。福建における洗骨習俗の比較のために、粟国島の洗骨習俗調査を行った。さらに、粟国島では、祖先が首里士族であるという門中が数多く存在し、祖先祭祀における首里士族系門中との関連と9月15日のグージーといわれる首里への遙拝儀礼は特徴的で、今後継続して調査を行う予定である。
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