研究概要 |
本研究では、文化の連鎖的比較の立場から、前回の科学研究費(基盤B(海外)2002-2004)を受けて韓国・台湾・日本で行った大規模標本調査に基づく医療と文化に関する調査研究をさらに深め発展させることを図った。すなわち、健康をより広範な観点から生命観(life,spirituality)という大きな枠組みに着目し、大規模標本調査から得られた情報に基づき、その相違を社会・文化的視点から捉えることは、今後の健康問題に対処していく上で大きな意味をもつと考えた。そして特に、アジアとの対比を考え、西洋諸国のうち、既存の調査結果(7ヵ国国際比較調査)より特徴的と考えられた米国、ドイツにてCATIによるRDD調査として遂行した。 平成20年度は、これらの調査結果を精査し、総合報告書としてまとめた。さらに生命感を含む健康指標間の関連性を指標相互間の関連および社会・文化的要因との関連性の相違という観点から分析を行い、指標間の特徴をまとめた。こうした調査結果の分析は単一の結果からだけ解釈することは望ましくなく、同様な調査結果との比較検討を行った上で解釈していくことが重要である。そこで同様な調査を行っている他の国際比較調査結果との比較検討を行い、その結果を報告書にまとめた。なお、詳細な分析は今後もさらに行い、順次発表していく予定である。
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