研究概要 |
環境問題のグローバル化に伴い,国家レベルにおいて様々な政策が打ち出されている.森林資源に対する政策についても,木材輸出国,輸入国など各国の資源的及び経済的特質などの違いにより,森林資源管理に関する政策への対応も様々である.地球規模での環境問題に対する国家レベルの対応と同時に,地域においては,その物理的・経済的あるいは地域社会的特質を反映した地域主導の地域森林資源管理モデルが必要不可欠である.本研究では,地球規模での環境問題として地球温暖化防止に対する森林資源管理政策について,スロバキアを事例とし1.国レベルでの森林資源管理評価,2.地域レベルでの森林資源管理評価,最後に3.国家レベルおよび地域レベル同時の森林資源管理評価,を行うことができる森林資源管理評価モデルを構築し,国家レベルでの森林政策目標達成下における地域レベルでの最適地域森林資源管理を探求することである. 平成21年度の研究成果は以下の通りである.1)スロバキアにおける地域森林資源管理で適応されている傘伐計画問題をCPLEX最適化プログラムにてモデル構築を行い,傘伐導入の影響を分析した.2)スロバキアにおける地域森林資源管理として進められている暴風害防止のための方向性を保持したストリップ伐採問題の定式化法を開発した.3)炭素吸収源に関わる国際気候政策問題と適格な炭素吸収量(eligible carbon sinks)を分析し,森林経営に対するポスト京都議定書の適切な気候合意を提示した.
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