研究概要 |
中国の経済的台頭は、世界的にも、地域的にも、力の均衡を大きく変化させる。ではそれは東南アジアにおいてどのような意義を持っているのか。中国の台頭にともない、東南アジアではどのような変化がおこっているのか。本研究では、この問題を、地域秩序のレベル、そして東南アジア各国における政治経済、社会のレベルにおいて検討することを目的とする。 初年度の18年度は、以上の目的のために、研究の基礎を構築するため、インドネシア、シンガポール、フィリピン、中国等で文献のサーヴェイ、第一回の現地調査を実施し、その成果をもとに研究会にて研究参加者の研究テーマについての知見、成果の共有を進めた。 その代表的な成果として、中国の台頭を含めた、東アジアの地域秩序の変容について、白石が「東アジア情勢、地域秩序再考の時」、(『読売新聞』、2006年10月22日)、フィリピンにおける華人の社会変化について、ハウが"Conditions of Visibility : Resignifying the 'Chinese'/'Filipino' in Philippine Cinematic Narratives," Narrating Race between Nationalism and Globalization, (Singapore : Singapore University Press, forthcoming, edited by Robbie Go.)、東南アジアの変容に伴うインドネシアの治安秩序変化について、本名が「深刻化する東アジアの越境犯罪」(『治安フォーラム』2006年12月号)を既に発表している。
|