研究課題/領域番号 |
18402021
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
堀江 典生 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (50302245)
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研究分担者 |
馬 紅梅 松山大学, 経済学部, 准教授 (40389193)
堀内 賢志 早稲田大学, 政治学研究科, 助教 (80329052)
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キーワード | 国際研究者交流 / ロシア / 外国人労働者 / ロシア極東開発 / 中露貿易 / 入国管理 / 労働許可 |
研究概要 |
本研究の目的は、2002年に大きな移民政策転換の結果生まれたロシアの外国人労働者管理が、ロシアの国内労働市場にどのようなインパクトを与えたのかを、国内労働市場政策、移民政策、地域経済政策、ソフトな安全保障論、移民送り出し国の観点から検証することを目的とした。 こうした目的のもと、研究分担者馬紅梅は、中ロ国境貿易と移民問題の関連を解き明かした。中国の貿易業者は、ロシアにおける消費市場のニッチなニーズを満たすことにより収益を上げることが可能であるため、短期間に金を儲けるために国境を越えている。中国人のロシア移入は人口圧力と高い失業率に起因している、というロシア人の一般的な認識と異なっている。沿海州市場での中国貿易業者の生活環境はけっして安全なものではない。彼らは永久にロシアに住み続ける意志はなく、何年後かには中国に戻ろうと考えている。移民に対する反感は、ある程度はロシアの現体制への不満、とくに汚職した政治家、官僚や警察が中国人と組んで私腹を増やすことに対する不満であり、自分たちが置き去りにされ、相対的に収奪されていると感じているからである。 研究分担者堀内賢志は、ロシア東部の移民問題に関する重要なファクターとしてある、ロシア極東地域開発政策の方向性と現状に関する調査を主として行い、同地域の開発は、本格的に軌道に乗ると予想され、中央政府は、同プログラムの実現に当たって直面した財政その他の問題に対処し、従来にはなかった責任ある態度で同地域の開発を推進しつつあると論じている。
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