8月15日から9月1日までフィンランドにおいて開催されたヨーロッパ社会学会に出席し、その後、スウェーデンで調査を行った。学会では4年間の調査成果一部の報告を行った。日本人研究者がスウェーデンの過疎地域においてミクロレベルの集落調査を行い、パワーポイントだけでなく、英語論文を用意して報告したことから、報告内容を十分理解してもらうことができ、座長をはじめ、出席者から高い評価を受けた。スウェーデン調査では、ストックホルムにおいてスウェーデン政府関係者から、最近の地域政策についてインタビュー調査を行った。その際、学会報告の英文を披露し、意見交換をした。その後、イエムトランドに移動し、エステルスンの政府研究機関においても同様に、政策についてのインタビューと報告成果についての意見交換をした。いずれも、成果について、非常に好意的な反応が返ってきた。今年度が最終年度に当たるため、2つの調査地に出向き、英文論文を地域住民のインフォーマントに手渡し、意見交換を行ったところ、新たな詳しいデータを発掘、収集することができた。 2010年3月15日から1週間イタリアで調査を行った。イタリア調査では、論文執筆成果について、現地の研究者の意見を聞くこと、まだ不足しているイタリアの研究者の論文、研究動向について、再度調査を行うことであった。現地専門研究者との意見交換では、むしろ研究成果に興味を持たれるとともに、イタリアの地域政策の新たな展開を教示してもらった。また、限界集落についての意見交換で、新たに知り合った統計研究の専門家からは、イタリアでもデータが取れそうだという情報をもらった。文献等では集落レベルの把握ができないということが強調されていたためあきらめていたが、今後の課題としたいと考え、今後の協力を依頼した。
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