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2008 年度 実績報告書

生活者・商人のライフヒストリーに見るジャカルタの変容に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 18402034
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

倉沢 愛子  慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00203274)

キーワードジャカルタ / ライフ・ヒストリー / 都市史 / 商人
研究概要

ジャカルタ市南郊のレンテンアグン町において、集住地区に住む行商人たちの日々の商いと生活を観察し、彼らのライフヒストリーの聞き取理を行った。この地区は、開発政策が始まった頃(1960年代末)には、まだ近郊農業を営む田園地帯であったが、都心部の集住地区の住民が都市開発の影響をうけて立ち退きを迫られた結果移転してきたため、今では非常な人口過密地域になっている。そしてその住民の大部分がインフォーマルセクターでの雑業就労者である。これらの人々は社会の最貧困層であり、工場労働者などの定職があれば転職を望んでいると一般に理解されてきたが、この調査から判明した事は、彼等は努力次第で給与所得者依りも良い収入を得る事も可能であり、さらに自由に労働時間を調節できるため現在の仕事に満足している人も多いという意外な実情であった。
また彼等は田舎を出て現在の居住地に定着するまでにジャカルタ市内で何度か転居を繰り返しており、最適の居住地を探すまでかなりの時間が掛かっているという事がわかった。
さらに、ジャカルタ北部の華人街であるコタにおいて、商人たちのライフヒストリーについて聞き取りを行った。対象となった商人は、インフォーマルセクターではなく、通常の商店主である。その大部分は50歳代であり、1965年の9・30事件(初代大統領が倒れるきっかけとなったクーデター。これ以後インドネシアは反共政策に出て、中華人民共和国との関連で華人二対する圧力が強まった)当時の記憶から聞き取ることができた。1998年のスハルト政権崩壊前夜の暴動や、2005年の華人街(パンチョラン通り)露天商一掃事件など、コタの街の景観が大きく変わる事件に対する、個々の商人の体験や評価についても聞き取った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 東南アジア占領における「ロームシヤ」の意味2009

    • 著者名/発表者名
      倉沢 愛子
    • 雑誌名

      南京事件70周年国際シンポジウムの記録 無

      ページ: 238-245

  • [図書] 変わるバリ、変わらないバリ2009

    • 著者名/発表者名
      倉沢 愛子
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      勉誠出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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