研究課題/領域番号 |
18402036
|
研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
|
研究分担者 |
加納 弘勝 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20214497)
奥山 眞知 常磐大学, 人間科学部, 教授 (60152443)
三島 禎子 国立民族博物館, 准教授 (20280604)
舩田クラーセン さやか 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70376812)
真城 百華 津田塾大学, 学芸学部, 助教 (30459309)
|
キーワード | NGO / 市民社会 / 民主化 / 移民労働 / イスラム / モザンビーク / ザンビア / シオニズム |
研究概要 |
アフリカのNGOについてはザンビアで調査を行い、民主化と市民社会の発展に貢献していること、しかしながら政策提言を行うことや農村の問題にどうかかわるかにはまだ課題の多いことが明らかとなった。政府とNGOとの関係も時に緊迫し、活動停止に至る場合もあった。イスラム世界でも1980年代から様々なNGOの活動が見られるようになった。しかし近年、国家による統制が厳しくなり、NGOの自己規制が強まっていることが明らかとなった。アフリカ・中東地域における民主化と市民社会の動向の研究にとって有益な成果が得られた。南アフリカの鉱山における移民労働者に関する調査では、移民の管理のための余暇活動における「伝統芸能」の役割が明らかとなった。モザンビークの「伝統芸能」がアパルトヘイト時代の南アフリカで継承されていたことも判明した。アフリカから近年中国などアジア諸国への移動が盛んになってきた。西アフリカのソニンケ人商人のグローバルな展開はその代表的な例であるが、実はそれには商業と信仰が結びついた中東地域へのイスラム商人の移動の歴史が背景にあった。このように、移動を文化と関連させて捉える意義が示された。国際関係の展開による国民国家への影響としては、イスラエルにおけるシオニズムの変容が認められた。ユダヤ人国家でありつつも多様化が進展している。ザンビアでは多民族国家における国民意識の形成と共に、英語の重要性の進展が見られた。トルコでは「トルコ・ギリシア間住民交換」の問題をめぐり、ナショナリズムを相対化しようとする活動を見られ、その意義について考察した。地域の現実を踏まえたグローバル化にともなう国民国家の変容の考察をおこなった。
|