本年度は、本研究の全体構想-アジアに位置する発展途上国ベトナムの知的障害児福祉活動の展開過程において、知的障害児の地域生活支援に関わる具体的な活動プログラムを検討し、就学前と就学期における知的障害児とその家族の福祉ニーズの実態把握を試みること-にかかわって、関連する基礎的資料・文献の日本国内外での収集、および対象機関・団体へのヒアリング調査(調査A)・対象児とその家族に対する質問紙に基づく実態調査(調査B)をおこない、その検討・考察を進めた。 前年度の予備的作業・予備調査を踏まえ、機関・団体ヒアリング調査(調査A)(9月と3月)を行った。就学前の知的障害児に対する療育活動・療育相談(早期介入プログラム)の具体的活動(調査対象:サオマイ療育センター、ホーチミン市障害児教育研究センター)を把握した。同時に、就学前の知的障害児とその家族の福祉ニーズについて、質問紙に基づいた実態調査(調査B)(9月と3月)を行い、知的障害児之その家族の福祉ニーズと具体的な療育活動との構造的関連を明らかにすることを試みた。知的障害児の福祉ニーズの把握に合わせて、対象児の発達診断を方法論として加えることで、対象児の障害、発達、生活の3領域からの実態把握を行った。 次年度は、本年度の調査を踏まえ、調査対象の選定は、対象機関等の意向もあり、調査対象を狭めること、調査方法のあり方も含め検討しながら研究を進めたい。
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