研究課題/領域番号 |
18402042
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研究機関 | 共愛学園前橋国際大学 |
研究代表者 |
山本 登志哉 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (60221660)
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研究分担者 |
高橋 登 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00188038)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
呉 宣児 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (90363308)
竹尾 和子 東京理科大学, 理学部, 講師 (30366421)
伊藤 哲司 茨城大学, 人文学部, 准教授 (70250975)
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キーワード | お金と子ども / 差の文化心理学 / 拡張された媒介構造 / 文化的道具としてのお金 / 日中韓越比較研究 / 親子関係 / 友達関係 / 文化的発達 |
研究概要 |
当該年度は質問紙調査について、大阪とソウルでのこれまでの各地域の分析に加え、日中韓越各都市間の比較を本格的に行ってきた。また同一国内での地域間比較として、中国の各都市や農村都市に於ける追加的なデータ収集、同一都市内における学校間比較といった分析を行い、単純な国間比較を超えて、同一の国内部の多様性やそれにもかかわらず存在する共通性などの問題について実証的なデータを得る作業を行ってきた。その結果、市場経済化による子どもの生活世界への金銭の浸透により、金銭を媒介にした個人的・趣味的生活圏が拡大していく傾向が一般的に見られ、しかしながら親子関係の中でどのようにお金をやりとりするか、あるいは友達関係の中でどのようにお小遣いを媒介にした人間関係をつくるか、ということに関する価値的な判断は、決して単純に市場経済化に対応した変化があるとは言えないこと、そこに市場経済にもかかわらず残り続ける、あるいは市場経済を取り込んで再構造化される文化的な人間関係構造が見えつつある。 これらのデータに加え、子どもとお金を研究する視点を整理する理論的検討が引き続き行われており、その一部として拡張された媒介構造を論ずる論文が、Cambridge Handbook of Sociocultural Psychologyの一章として発表された。この論文については中国において2007年に朱智賢心理学賞を受賞するなど、諸外国でも一定の理解と評価が生まれつつある。
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