研究課題/領域番号 |
18402043
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
関 啓子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20107155)
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研究分担者 |
内藤 正典 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (10155640)
澤野 由紀子 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (40280515)
中田 康彦 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 准教授 (80304195)
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キーワード | 人間形成 / 中央アジア / コーカサス / グローバル化 / 教育改革 / 教育をめぐる国際協力 / バナキュラーな価値 / トルコ |
研究概要 |
モスクワでの調査(関)では、2大教育メディアへのインタビューや研究者との意見交換などにより、旧ソ連圏内の人々の移動にもとづき、教育にかかわる民族問題も新展開を遂げていることを知ることができた。加えて、家族の階層差が子どもの通うサマー・スクールの違いにくっきりと反映されることを明らかにできた。このことによって、ロシアにおける教育の格差問題の新局面を開くことができたものと思われる。 カザフスタン調査(関、内藤、澤野、中田)の成果としては、(a)学校教育へのトルコの影響(教育支援)が、2006年のクルグズスタンと同様に大きいことを発見できたこと、(b)その支援団体がクルグズスタンとは異なることを明らかにできたこと、(c)トルコからの支援がなぜカザフの人々に好まれているかを明らかにすることによって、カザフスタンの人々の教育意思のありようを浮上させることができたことを、あげることができる。トルコ調査(内藤)を実施したことが、この様な成果を可能にした。加えて、教育・子育てのノマド的な文化(ノマド的な発達文化)についても、聞き取り調査を介して、解明のてがかりを得ることができた。これも、重要な成果である。また、国際機関で働いている人々への聞き取り調査によって、ソ連の教育制度・内容・理論がどのように摂取され、あるいは批判されているかを知ることができた。ロシアを中心としたこれまでの研究では明かされなかった、独り立ち戦略をめぐるバランスのとれた、冷静なソ連分析・解釈が示され、ソヴェト教育研究の新しい視角が浮上した。このことは、ソ連・ロシア研究にとって重要である。
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