研究分担者 |
山内 常生 名古屋大学, 大学院・環境学研究課, 准教授 (80022713)
川方 裕則 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80346056)
大志万 直人 京都大学, 防災研究所, 教授 (70185255)
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 教授 (50159547)
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 准教授 (90237214)
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研究概要 |
高応力の岩盤に間隙水が存在すると、応力の静的・動的変化や間隙水圧の変化に対し、地震活動が敏感に反応する(例えば、地熱地帯や火山地帯、注水による誘発地震やダムの貯水に伴うものなど)。 深度1〜3kmの鉱山は,採掘中だけでなく、閉山後水没してゆく過程においても、おびただしい地震活動が誘発される。また、水没が進行する鉱山は、断層などの地下の3次元的な地質構造が既知という利点もあるため、上記を間近で詳しく研究することができる。特に、水没鉱山の隣の鉱山で採掘が続く場合、地震動や地下水位上昇などの外的刺激に対するWetな岩盤の応答を,地下から間近に見ることができる。南アフリカには、水没途上の深さ2〜3kmの金鉱山でそのような条件の場所がいくつかある。そこで、岩盤挙動や地震活動の観測を行い、これまでに得られているドライな条件の金鉱山との違いを調べることが目的である。 平成18年度までに絞り込まれた2つの鉱山において,ほとんどの計器埋設とケーブル敷設が平成19年度に完了し,観測データの収録も一部始まった.歪計は平成19年5月に埋設すべく輸出したが現地で不具合が発覚した,時間を要したが原因が判明し,問題を解決することができ,平成20年6月の渡航で埋設できる目処が立った。その結果,Buffelsfontein鉱山では,27L(地下約2km)の坑内水止めプラグ周辺の地震6点・歪1点・水圧1点・自然電位4点の多項目観測が始まった.ERPM鉱山においては,竪坑の通信ケーブル開通を待たねば一部のリアルタイム観測ができないが,スタンド・アロン収録装置を臨時使用して,地表下2〜3kmの水没域に隣接する水止めプラグおよび水没域の1km上の水平坑道の計8箇所の地震計による地震観測が始められるようになった.
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