研究課題
本研究課題においては、スカンジナヴィア北部とスヴァールバル島に設置されている世界で第一級の欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーシステムを用いて、極冠域からカスプ、オーロラ帯、サブオーロラ帯にまでいたる広い領域においてISレーダー観測を行い、太陽風、磁気圏、電離圏、熱圏、中間圏における様々な基本的かつ重要な物理・化学過程の総合的研究を行うことが目的である。EISCATレーダーを用いた実験を行うためには、観測オペレータを現地に派遣する必要がある。また、EISCATレーダー特別実験に呼応して、衛星との同時観測や地上光学観測機器との同時観測などのキャンペーン観測が企画される。これらのEISCATレーダー特別実験を有益に行うために、観測オペレータとともに関係する研究者の派遣を実施している。主な研究対象としては、ポーラーキャップパッチ、オーロラ微細構造ダイナミクス、イオンアップフロー、イオン加熱・イオン温度の非等方性、3次元電流系と電離圏電気伝導度、電離圏移動性擾乱(TID)、下部熱圏大気ダイナミクス(プラネタリー波、大気潮汐波、下部熱圏鉛直風)、太陽風などが挙げられる。平成20年度は、14件の特別実験の共同研究提案を採択した。これらを元に、れいめい衛星との同時観測、オーロラ光学同時観測、デルタ2ロケットキャンペーン、上部中間圏・下部熱圏エコーのコヒーレント解析による鉛直風速推定などを実施した。これらのEISCAT特別実験は、主に国際共同により行われた。特に、デルタ2ロケットキャンペーンでは、日本を含めた6ケ国の国際共同実験として、2009年1月に約2週間EISCAT UHFレーダーを運用した。また、EISCATとMF帯オーロラ電波放射の同時観測も行った。さらに、平成21年度に設置予定のナトリウム温度ライダーに関連する調査および研究打ち合わせを行った。
すべて 2009 2008
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Journal of Geophysical Research 114(印刷中)
Journal of Geophysical Research 113
ページ: doi : 10.1029/2008JA013021
ページ: doi : 10.1029/2008JA013061
ページ: doi : 10.1029/2007JA012791
Annales Geophysicae 26
ページ: 2837-2844
ページ: 1491-1505