研究課題/領域番号 |
18403011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
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研究分担者 |
西谷 望 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (10218159)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
関 華奈子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (20345854)
三好 由純 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10377781)
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キーワード | オーロラ / 夜間大気光 / 大気重力波 / 人工衛星-地上共同観測 / 低緯度オーロラ / 磁気嵐 / 国際情報交換 / ロシア |
研究概要 |
1.名古屋大学太陽地球環境研究所において、高感度全天カメラの2台分の光学系を製作した。このために、光学フィルター、ステッピングモーター、コントロール用PC、レンズ類、及び筐体材料を購入した。次年度に購入予定であった受光部である冷却CCDカメラも、2台、購入した。また、現地調査の結果をうけて、現地に設置するためのカメラの保温箱を製作した。これらは、本科学研究費補助金と、名古屋大学の特別教育研究経費を用いて行われた。 2.誘導型磁力計3成分のセンサー1セットを物品費で購入し、アンプ・処理回路・PCを用いたデータ取得システムを名古屋大学で自作した。 3.平成18年9月に、カムチャッカ半島パラツンカにあるロシア科学アカデミー・IKIR研究所を研究代表者(塩川)及び研究分担者(湯元)が訪問し、同研究所のB.Shevtsov博士と同研究所の関係者、及び、ロシア科学アカデミー・IKFIA研究所(ヤクーツク)から同時期にIKIR研究所を訪問していたR.Boroyev氏と研究打ち合わせを行った。また、IKIR研究所がパラツンカに保有する観測所の現地調査を行った。この結果、IKIR研究所に所属するパラツンカとマガダンの2カ所に、高感度全天カメラとインダクション磁力計をそれぞれ1台ずつ設置する方向で、今後、IKIR研究所と共同研究を進めることとなった。 4.北海道陸別観測所のSuperDARNレーダーは平成18年度11月に稼働を開始し、定常運転を平成19年3月現在まで順調に続けている。 5.NASAのTHEMIS衛星は平成19年2月17日にケープカナベラル基地から打ち上げられた。この打ち上げ直前に同地で行われた研究集会に研究分担者(三好)が参加し、今後のロシアの地上観測と衛星の共同研究に関して打ち合わせを行った。 6.過去の磁気嵐時(2001年3月31日)に日本で観測された熱圏の大気波動に関して解析を進め、シベリア地域で観測されたオーロラ加熱ではなく、反対側のカナダ地域のオーロラ加熱が北極をまたいで伝搬してきたことを、モデル計算との比較より明らかにし、論文として発表した。 7.磁気嵐時に低緯度オーロラを引き起こす原因の一つであるbroadband electronと呼ばれる特異な電子降り込み現象の1例を、FAST衛星データを用いて詳細に解析し、結果を論文として発表した。 8.DMSP衛星がシベリアの全天カメラ上空を横切った過去の例(2000年10月31日)を詳細に解析し、サブストームに伴うオーロラの急激な増光を引き起こしている電子降り込みの特徴を明らかにして、論文として発表した。
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