研究課題
1.平成19-20年に、ロシア極東域のパラツンカ観測点、マガダン観測点に設置した高感度全天カメラ・誘導磁力計は、平成21年度は順調に自動観測を継続した。また、北海道陸別観測所のSuperDARNレーダーも、ネットワークシステムの修理などを行ったが、引き続き定常観測を継続した。また、平成19年度に設置した名大STE研に所属する北海道母子里観測所と鹿児島県鹿児島観測所の誘導磁力計の自働観測も継続した。これらのデータのデータベース化を名古屋大学で行った。2.低緯度オーロラの原因の一つと考えられる内部磁気圏からの特異な電子降り込み現象(broadband electron)に関して、引き続き詳細な解析を、電離圏を飛翔するFAST衛星と磁気圏を飛翔するDouble-Star衛星のデータを用いて行い、その結果を論文としてまとめた。3.北海道レーダーで観測されるカムチャッカ上空の中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)を統計的に解析した。その結果、日本上空ではほとんどのMSTIDが南西に伝搬するのに対し、日本よりも北では、南西伝搬だけでなく、北東伝搬するものもあり、緯度によって伝搬特性が異なることが明らかになってきた。4.北海道レーダーで観測されるカムチャッカ上空のMSTIDと、その視野の中にあるパラツンカ観測点の高感度全天カメラで観測されたMSTIDを比較し、MSTIDの波状構造の中のプラズマドリフトの方向を明らかにした。この結果、MSTIDが分極電場によって生成されていることが示唆されている。5.これらの観測や得られた成果を国内外の学会・研究会で紹介し、共同研究を促進した。
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J.Geophys.Res. (in press)
ページ: doi : 10.1029/2009JA014907
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Ann.Geophys. 27
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http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/index.html
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/magne/index.html