研究概要 |
本研究では, (1) 水系感染症の実態把握, (2) 村落レベルの感染過程のモデル化(ミクロスケールモデル), (3) 氾濫水を介した広域感染過程のモデル化(マクロスケールモデル), を行いハザードマップを作成する.水系感染症の実態把握では, 生活習慣と症状の調査を行い, 感染が拡大する過程を調査する.同様の調査は, カンボジア保健省とWHOの調査が一部行われているが, 本研究では水系感染症に注目し, 氾濫原とそれ以外(丘陵地)の村落を区別して行う.その上で, 特にpit型トイレ(地面浸透トイレ)と家畜と氾濫の関係から水を介した感染の拡大のモデル化を行う.モデルパラメータは統計資料から重回帰式によって推定する.広域については, 先行研究によって氾濫シミュレーションが成功しており, これに細菌の移動(湧き出しと死滅)を取り込み, ミクロモデルの結合により, 細菌の拡散を表現する.また, 感染症に関する効果的なハザードマップについて, 現地試行を通して提案する.
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