研究課題
平成21年度は本課題での研究の最終年度であり、バングラデシュ側のカウンターパートであったバングラデシュ工科大学水・洪水管理研究所において、平成22年1月31日に成果報告会を開催し、共同で実施してきた観測研究および水理模型実験研究および数値解析に基づく実験結果の再現に関する研究成果等を報告しあった。この報告会に先駆け、平成22年1月30日には、懸案であったバンダル型水制の設置個所において現地調査を行った。バンダル型水制の河岸浸食防止効果および水刎効果による主流路の侵食機能については既に本研究の水理模型実験で確認されていたが、浮遊砂の河岸への堆積効果については実験スケールの問題から確認することができなかった。幸いにもカウンターパートの要望が受け入れられ、バングラデシュ水開発局(BWDB)が昨年7月にJamuna川に架かるJamuna橋上流2km左岸辺りに、竹製のパイルとフェンスからなるバンダル型水制を多数試験的に設置した。わずか半年間の設置であったが、その効果は抜群であり、河岸浸食防止効果のみならず、浮遊砂が河岸付近に3m以上もうずたかく堆積し、河岸侵食により流亡したかっての農地が再現されたと、現地のヒアリングで明らかになった。一方、浮遊砂を考慮した数値シミュレーション手法については水制の構造の複雑さから、境界条件等の設定に困難さが残されているが、初歩的なモデルが開発され、浮遊砂がある場合と無い場合とで河床変動にどのような違いがあるかを検討した。その結果、浮遊砂の存在により河床変動が抑制され、水制周辺で発生する浮遊砂の存在を考慮したほうがより実験値に近い結果となった。しかしながら、非構造格子を用いた移動床場での3次元流れの解析においては、特にパイル状の構造物周辺で格子形状が大きく歪むため、計算が不安定になることが発生した。
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Proc.of the International Symposium on Water and Sediment Disasters in East Asia
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