本研究の目的は主にバングラデシュのヒ素汚染地域から大気中に放出されるヒ素の量と速度を把握するため、現地汚染土壌からのエミッションを測定し、さらに、大気中の動きを予測し、そのフェートを明らかにすることである。また、現地汚染土壌からのヒ素エミッション測定を間接的に予測するため、ヒ素を気化する微生物の特徴等の解明を行う。平成20年は現地における吸着カラムの回収とその中のヒ素濃度測定を行ったが、結果として回収された吸着カラムの吸着剤(粒状活性炭)にはヒ素が確認できなかった。当初計画した太陽電池による強制通気システムは使用せず、自然対流によって吸着カラムへの通気をする方式に変更した事で気体ヒ素の捕獲が十分にできなかったのか、そもそも自然に出ている気体ヒ素の濃度が低すぎて今回採択した方式では十分なヒ素の料が得られなかったのかは不明である。一方、土壌からサンプルしたヒ素気化微生物の動力学的な特性が明らかとなった。
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