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2007 年度 実績報告書

建築家ガブリエルによる古典主義伝播に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18404018
研究機関九州大学

研究代表者

土居 義岳  九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (00227696)

キーワード古典主義 / ガブリエル / レンヌ市 / 建築の5つのオーダー
研究概要

平成19年度は6月と11月の二度にわたってレンヌ市現地調査とパリ市資料調査を行った。
6月の現地調査ではレンヌ市公文書館とイル=エ=ヴィレンヌ公文書館においてガブリエルによる都市整備のきっかけとなった火災関連資料を収集し、さらにレンヌ市図書館において19世紀に刊行された関連する地域誌学会紀要論文、展覧会図録などを発見することができた。
さらに11月の第二回目調査では、イル=エ=ヴィレンヌ公文書館において資料収集し、ガブリエルが整備した広場と建物に関する公文書を閲覧・複写し、ガブリエルが書いたオリジナル図面を特別許可を得て閲覧、写真撮影、主要寸法の計測作業を行った。
これらにより総合的に、フランス(宮廷)、ブルターニュ(地域圏)、レンヌ(市)の政治的立場と、ガブリエルの建築的介入の位置づけがより鮮明になった。1720年の火災により市域の4分の1が焼失し、その復興計画であった。宮廷は王領のなかの森林の木材、石材を提供する、地域圏は財政出動をする、という関係で、市にはいずれも協力的であった。
表象的意味としては、広場は王像広場として王権に忠誠を誓うという役目を担わされた。同時に、市は市のシンボルであった時計塔の再建というかたちで市のアイデンティティを主張しようとした。こうした表象関係が明らかになった。
また担当建築家はまずブルターニュ有力貴族の推薦する建築家であったが、市民はその案を、高い建設費などを理由に拒否した。そして調停役として宮廷はガブリエルを派遣した。つまり市と地域圏の対立を、宮廷が調停するという関係は、ボルドーにおける経緯と類似していることが判明した。
さらにイル=エ=ヴィレンヌ公文書館で計測作業を行ったオリジナル図面の清書、建築オーダーの比例分析を行った。案ごとにオーダー比例は異なり、前任建築家とガブリエルの間でも異なっていること、が判明した。アカデミーが公式な比例体系を決めるのはその10年後あたりであるから、広場建設における建築デザインはその標準設計策定におけるステップであったと分析できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ボルドー王像広場の実現されなかった前身計画2007

    • 著者名/発表者名
      土居 義岳
    • 学会等名
      日本建築学会(F-2分冊, p.247)
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      2007-08-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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