研究概要 |
本年度はヴェトナムのカンザ(CG)、ブンタウ(VT)、ニャチャン(NT)、ダナン(DN)、フエ(HU)を訪れ、エビ養殖場及びその周辺から底泥を採取して、抗生物質、重金属、富栄養化物質量を測定した。あわせて耐性菌の存在量、薬剤感受性を調べた。さらに、浄化対策として、光触媒のTiO_2とUVを使って抗生物質を分解する実験を行った。重金属(As,Cd,Hg)の吸着除去法についても実験を行った。 抗生物質は、Trimethoprim(TMP),Oxolinic Acidなどが確認された。TMPはNT、 DNで8-15mg/gwet mudであった。南部のカンザ(CG)ではエビ養殖を中止したり、ナマズ養殖に切り替えているところもあった。北部タイピンでは池を造って2年目にはエビ養殖が出来ない池もあった。底泥中の重金属では、Cdで0-2200μg/Kg-dry mud、 Asで、130-1870μg/Kg-dry mudであった。重金属濃度はVT,NTで高かった。全リン濃度は、NT、 DN、 HUで1-120mg/g-dry mudと高く、有機炭素は0.93-5.69%で、75%の池で特に高く(4<6%)、25%の池でやや高い(>2-≦4%)、5%の池で低い(1-≦2%)状態であった。特にNT、 DN、 HUでは富栄養化が進んでいた。細菌出現数は抗生物質5ppm添加区でも0-389x10_3cfu/g発芽し、CFC>SMX>TMP>AMC>STM>OTC>NFC and OFCの順序で出現し、抗生物質に対する耐性が非常に強くなっていると思われる。 浄化対策では、抗生物質Trimethoprimとsulphamethoxazalの分解は紫外線を照射するだけでも認められたが、TiO_2を加えることでさらに増した。また、UVとして太陽光を使い、光触媒TiO_2を併用することにより分解効果があることを見いだした。
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