研究課題/領域番号 |
18405009
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
上田 恵介 立教大学, 理学部, 教授 (00213348)
|
研究分担者 |
江口 和洋 九州大学, 理学部, 助教 (60136421)
高須 夫悟 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (70263423)
高木 昌興 大阪市立大学, 理学部, 准教授 (70311917)
西海 功 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (90290866)
|
キーワード | カッコウ / 寄生 / 共進化 / 托卵 / オーストラリア / マングローブ / 軍拡競争 / 進化生物学 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、オーストラリア・ダーウィンの調査地(Ludmillaクリーク沿いのマングローブ林)において4-5月、9-5月にアカメテリカッコウとその2種の宿主の調査を実施した。調査は代表研究者と、立教大学大学院の徳江紀穂子が野外で担当した。今回で計6回分の繁殖シーズンのデータが集まった結果、2種の宿主マングローブセンニョムシクイとハシブトセンニョムシクイの巣において、昨年同様、親鳥によるヒナの排除の撮影に成功した。また排除のミスとして自分自身のヒナを排除する証拠もビデオカメラに捕らえることが出来た。ハシブトセンニョムシクイのヒナとアカメテリカッコウのヒナは極似しているが、マングローブセンニョムシクイのヒナはそう似ていない。このことは、アカメテリカッコウはもともとハシブトセンニョムシクイを主要宿主として、そのヒナ擬態を進化させたものが、近年、マングローブセンニョムシクイにもその宿主範囲を拡大して、寄生をはじめたものと考えられる。そして、現在、マングローブセンニョムシクイにおいてもカッコウのヒナ排除が起こりつつあることは、まさに進化の動的な場面をこの目で確かめているということであり、学術的な意味は非常に大きい。 これらの成果は、2009年8月の国際行動学会議(Rennes, France)で口頭発表を行い、また2009年9月の日本鳥学会大会、11月の日本動物行動学会において口頭発表を行った。さらに3本の論文を国際的な生物学関連の雑誌であるBiology Lettersと鳥学誌のIbisに投稿した。
|