研究課題
交付申請書記載の海外調査計画では、平成18年度はヒマラヤ地域として7月下旬〜8月中旬にブータン、および10月上旬に中国雲南省北西部の調査を、また12月下旬〜1月中旬にアルゼンチンでの調査を実施する予定であったが、ブータンにおける調査許可の取得が難航したために全体の予定を変更せざるを得ず、結局、11月中旬にブータン、2月下旬から3月中旬にアルゼンチンに渡航した。ブータンでは平成19年度以降に本格的な学術調査を行うために現地の関係政府機関や研究機関との打ち合わせと調査地の選定のための予備的な調査を実施した。アルゼンチンでは南部パタゴニアの温帯林と北部ミシオネス州の熱帯林で野外調査を実施した。このほか、系統解析における外群や比較サンプルの採取のために国内の南九州や琉球列島でも野外調査を実施した。現地野外調査では、参加者各自が分担する分類群のサンプルを採集するとともに対象食材性昆虫の生態学的な特性を明らかにするためのデータ収集や分析用の木材サンプルも採取した。また社会構造や巣中の寄生(同居)昆虫群集に関する調査も行った。持ち帰ったサンプル関しては、(1)各食材性昆虫に関してミトコンドリア(DNAのCOI、COII、16S rRNA遺伝子など)と核遺伝子(12S、28S rRNA遺伝子など)の配列を解析し、分子に基づいて系統関係を明らかにする、(2)第3のゲノムとして食材性昆虫類の脂肪体内共生バクテリアの16S rDNAシークエンスを比較し、バクテリアの16Sで知られるキャリブレイション値を用いて分類群の分岐年代の推定をする、(3)木材サンプルに関してCN比や安定同位体比、主要木材成分量の測定を行い、各食材性昆虫の生息木材の特性や食性について調査し、各食材性昆虫の生態学的な特性を明らかにする、などの解析を進行中である。また、系統解析を行う予定の分類群に関する分類学的な整理や調査地域のファウナリストの作成も同時に行っている。これらの成果の一部は、すでに国内外の専門学術誌への論文掲載や関連学会での講演を通じて公表されている。
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