研究課題/領域番号 |
18405012
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒谷 邦雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (10263138)
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研究分担者 |
近 雅博 滋賀県立大学, 大学院・環境科学部, 教授 (00211912)
北出 理 茨城大学, 理学部, 准教授 (80302321)
前川 清人 富山大学, 理学部, 准教授 (20345557)
梶村 恒 名古屋大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10283425)
小島 弘昭 東京農業大学, 農学部, 准教授 (80332849)
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キーワード | ゴンドワナ大陸 / 食材性昆虫 / 分子系統 / 生物地理学 / 隔離分布 / 分岐年代推定 / 共生バクテリア / 進化 |
研究概要 |
平成19年度は、調査許可取得の問題などから交付申請書記載の計画を変更し、平成19年12月中〜下旬に中国雲南省、および平成20年2月下旬〜3月上旬に平成18年度に調査が実施できなかったスリランカに合同で渡航した。中国雲南省では中国科学院昆明動物研究所の梁博士の協力を得て同省南西部のミャンマー国境の森林地帯で野外調査を実施した。スリランカでは本格的な学術調査に備えてペーラーデニア大学農学部をはじめとする現地研究機関との打ち合わせと調査地の選定のための予備的な調査を実施した。このほか、タイ(梶村:チェンマイ近郊でのサンプル採取)やオーストラリア(北出・前川:ムカシシロアリのサンプル採取)琉球列島(前川:比較サンプルの採取)でも調査・研究を実施した。 各野外調査では、参加者各自が分担する分類群のサンプルを採集するとともに対象食材性昆虫の生態学的な特性を明らかにするためのデータ収集や分析用の木材サンプルも採取した。また社会構造や巣中の寄生(同居)昆虫群集に関する調査も行った。持ち帰った食材性昆虫のサンプル関しては、(1)ミトコンドリアと核遺伝子の配列を解析し系統関係を明らかにし、(2)食材性昆虫類の脂肪体内共生バクテリアの 16SrDNA シークエンスを比較し分類群の分岐年代の推定を試みた。また、対象分類群に関する新種記載を含む分類学的な整理や調査地域のファウナリストの作成も同時に行った。 これらの成果の一部に関しては、昆虫関係の専門誌「昆虫と自然」において「ゴンドワナ起源の昆虫たち」として特集された他、内外専門学術誌への論文掲載や関連学会での講演を通じて公表された。
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