研究課題/領域番号 |
18405012
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒谷 邦雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (10263138)
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研究分担者 |
近 雅博 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00211912)
北出 理 茨城大学, 理学部, 准教授 (80302321)
前川 清人 富山大学, 理学部, 准教授 (20345557)
小島 弘昭 東京農業大学, 農学部, 准教授 (80332849)
梶村 恒 名古屋大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10283425)
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キーワード | ゴンドワナ大陸 / 食材性昆虫 / 分子系統 / 生物地理学 / 隔離分布 / 分岐年代推定 / 共生バクテリア / 進化 |
研究概要 |
平成20年度は、平成20年7月中旬に南アフリカ、9月で旬にタイ北部、および平成21年1月中旬に中国雲南省に渡航し現地調査を実施した。南アフリカではナタール州南部、および西ケープ南部の森林を調査し、コガネムシ上科の甲虫類やオオシロアリをはじめとする各種シロアリ類の解析サンプルを採取した。また、タイ北部ではチェンマイ近郊の森林でコガネムシ上科の甲虫類やクチキゴギブリ類を採取した。 さらに、中国雲南省では中国科学院昆明動物研究所の梁博士の協力を得て同省北西部のミャンマー国境の森林地帯でコガネムシ上科の甲虫類や各種シロアリ類、食材性ゴキブリ類の採取を行った。中国雲南省の調査では同省初記録となるキゴキブリの1種を発見したことに加え、チュウゴクツヤハダクワガタの分布上の新知見も得ることができた。この他、日本国内では奄美諸島で調査を実施し、コガネムシ上科の甲虫類やオオシロアリ、エサキクチキゴキブリなどのサンプルを採取した。 各野外調査では、解析用の食材性昆虫類のサンプルを採取するとともに対象食材性昆虫の生態学的な特性を明らかにするためのデータ収集や分析用の木材サンプルも採取した。また社会構造や巣中の寄生(同居)昆虫群集に関する調査も行った。持ち帰った食材性昆虫のサンプル関しては、(1)ミトコンドリアと核遺伝子の配列を解析し系統関係を明らかにし、(2)食材性昆虫類の脂肪体内共生バクテリアの16SrDNAシークエンスを比較し分類群の分岐年代の推定を試みた。また、対象分類群に関する新種記載を含む分類学的な整理や調査地域のファウナリストの作成も同時に行った。 これらの成果の一部は、すでに内外専門学術誌への論文掲載や関連学会での講演を通じて公表されている。
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