研究課題
平成20年度は、海外研究協力者Rancusiを7月10日〜22日に招聘し、福井県立恐竜博物館、国立科学博物館、中央大学で連携研究者、研究協力者と情報交換を行った。福井では特に寺田と材化石の同定について意見を交換した。また、7月19日(土)に中央大学理工学部において研究連絡会を開催し成果の情報交換と、平成21年度以降にも同様の研究計画を継続すること、特に南極での調査を検討することを確認した。研究連絡会では寺田が材化石研究の進展と、アルゼンチン及び南極での同様の研究を総合した材化石からみた第三紀の植生変遷について発表した。また、渦鞭毛藻類生層序を分担した新潟大学の栗田は、ドロテア、ラスミナス、フェゴ島サン・セバスチャン、リエスコ島などで植村と山田が主に採集した暁新世から中新世にわたる広範な時代の資料について、生層序決定に有望な結果が出ていることを報告した。パタゴニア地域では、化石産出層の年代決定の信頼性を高めることが積年の課題であったが、その解決に向けて有効な手法が本研究により確立しつつある。寺田は栗田の年代決定の成果を加味した材化石によるパタゴニアの植生変遷について、ドイツでの国際会議で発表し、注目された。西田は、鉱化植物破片を含むノジュール化石を鉱化ゴミ化石と名付け、その情報の特殊性と有用性を国内外の学会で発表した。これまであまり注目されて来なかった保存状態の化石群なので、注目され、西田が鉱化化石には世界で初めて適用した高解像度X線CTスキャナによる観察結果も含めて、今後の研究の進展が待たれている。葉化石については、分類学的検討や相観解析に時間を要しているものの研究は植村、矢部によって進展している。鉱化ゴミ化石については、リエスコ島の資料に加え、チリ中南部のコチョルゲで採集した後期白亜紀のノジュールから多様な植物化石群集を発見し、一部の成果を学会発表した。
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IPC-XII/IOPC-VIII Bonn 2008, Abstract
ページ: 206
ページ: 281
Bunrui 8
ページ: 29-30
ページ: 61-68
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/geology/uemura/pdf/uemura.pdf
http://c-facuity.chuo-u.ac.jp/~helecho/