研究課題/領域番号 |
18405016
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 教授 (20101470)
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研究分担者 |
斉藤 篤司 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (90195975)
川崎 晃一 九州産業大学, 健康スポーツ科学センター, 教授 (00038704)
伊藤 和枝 天使大学, 大学院・看護栄養学研究科, 教授 (80104983)
吉水 浩 久留米大学, 健康スポーツ科学センター, 教授 (40220727)
上園 慶子 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00168618)
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キーワード | ネパール / 生活習慣病 / 身体活動量 / 栄養 / 人間生活環境 / 高血圧 / 肥満 |
研究概要 |
1987年に実施したネパールの山岳地農村(Kotyang village,Kabhreparanchok District)と首都カトマンズの近郊農村(Bhadrakali village,Kathmandu District)において、20年後の調査研究を平成19年9月に約3週間実施した。山岳地農村は1987年当時には自給自足的農村であり、電気や水道、公共交通機関もなかった。しかし2003年には電気が配電され、1998年頃からはミルクの販売、2005年頃からジャガイモの販売で現金収入が得られるようになり、生活水準や生活様式に変化が認められていた。都市近郊農村はネパールで最も土地の高騰が激しく、農地は住宅地化し、旧来の農民は農業以外の職業に従事し、村の景観や住民の生活水準は大きく変化していた。 調査・測定項目は、医学的調査(血液学的・血液生化学的検査、血圧測定、尿検査、診察など)、形態・体力学的調査(形態計測、体力測定、歩数調査、日常生活中の心拍数測定など)、栄養学的調査(栄養素等摂取量調査、食習慣調査など)、生活習慣や生活状況等の調査であった。調査対象者は20歳以上の成人とし、山岳地326名、都市近郊304名の住民について上記調査を実施した。このうち20年前にも参加した対象者は山岳地が147名、都市近郊が101名であった。また両地区において、子どもの形態測定と栄養調査を実施した。 山岳地では1987年には高血圧や肥満は認められなかったが、20年後には若干の高血圧者や肥満者が認められたが、それでも明らかに都市近郊はもちろん日本に比べれば明らかにその出現率は低いままである。一方都市近郊の住民では、旧来の農民に変わって移住者が多くなり、農民に限れば高血圧者や肥満者の出現率は1987年当時とほぼ同程度であった。得られた調査データの詳細は現在、集計・分析中である。
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