研究課題/領域番号 |
18405018
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 勝一郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40087606)
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研究分担者 |
山路 恵子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00420076)
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キーワード | ツノアイアシ / 他感作用 / 雑草制御 / 熱帯・亜熱帯雑草 / 他感物質 / 土壊水 / 溶存態 / 6-methoxy-2-benzoxazolinone(MBOA) |
研究概要 |
タイ王国東北部の畑作栽培において、熱帯・亜熱帯性畑地雑草ツノアイアシ(Rotteboellia exaltata L.f.)マルチ(敷き藁)利用による雑草制御技術に着目し、タイ王国研究者との共同研究により、現地圃場ならびに実験室実験によって、本雑草の他感作用発現機構ならびにそれに対する土壌要因の関与解析し、環境負荷の少ない雑草制御技術の発展に寄与しようとした。 昨年度までに、現地圃場でのツノアイアシの生育状況を把握し、また、実験室実験により本雑草には、生理活性物質である6-methoxy-2-benzoxazolinone(MBOA)等が含まれること、また、本物質の土壌への放出により、本雑草の他感作用が発現していること、ならびに、その作用は、土壌水中に溶存している他感物質に依存して発現することが示された。 本年度は、MBOAの土壌中における挙動と他感作用発現の関係物ついて検討した。得られた成果は、以下のように要約される。 1)現地圃場および栽培ポットのいずれにおいても、根に近い土壌ほど生育抑制作用が顕著であった。 2)根から土壌へ放出されたMBOA量も、根からの距離に準じて低下し、上記の生育抑制作用と同じ傾向を示した。 これらの結果から、土壌中におけるツノアイアシの他感作用は、根から放出されたMBOAの土壌水中における溶存態に依存して発現しているものと思われる。
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