研究課題/領域番号 |
18405019
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山本 由徳 高知大学, 農学部, 教授 (00093956)
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研究分担者 |
吉田 徹志 高知大学, 農学部, 教授 (10145112)
宮崎 彰 高知大学, 農学部, 准教授 (00304668)
新田 洋司 茨城大学, 農学部, 准教授 (60228252)
浜西 知子 共立女子大学, 家政学部, 講師 (90348607)
平尾 和子 愛国学園短期大学, 教授 (50156642)
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キーワード | カブダチクジャクヤシ / サゴヤシ / 西カリマンタン / デンプン / 樹幹形質 |
研究概要 |
インドネシア、西カリマンタン州ポンチアナ近郊のアンバンガ村で収穫適期の2種のサゴヤシ(BembangとBuntal)を各3本、またシンカワンのブガサワ村では花序を有するカブダチクジャクヤシ5本を伐採し、生長形質の調査を行うとともに、樹幹髄部を部位(樹幹位置)別に採集し、そのデンプン、全糖含有量を測定した。サギヤシ2種の樹幹長は、Bembang(平均9.6m)でBuntal(同7.4m)より有意に高かったが、樹幹直径は45cm前後でほぼ等しく、平均樹幹重はBembang:1146kg、Buntal:1009kgで有意差はみられなかった。デンプン含有率(73〜75%)、全糖含有率(4〜5%)にも有意差はなく、従って、デンプン収量(300kg前後)はほぼ等しかった。一方、カブダチクジャクヤシは、平均樹幹長が4.3m、樹幹直径11cm、樹幹重37kgで、樹幹重はサゴヤシの約1/30と著しく劣った。また、サゴヤシでは樹幹部位による髄部デンプン含有率に差異が見られなかったのに対して、カブダチクジャクヤシでは樹幹基部のデンプン含有率は著しく低く、花序形成部位にかけて顕著な濃度勾配がみられた。花序着生部位の髄部におけるデンプン含有率は60%前後で、収穫適期のサギヤシに近い値を示した。カブダチクジャクヤシの平均デンプン含有率は33.8%、全糖含有率は22.4%であった。本研究では、最下位花序着生位置より下位の樹幹のみを収穫したために、平均デンプン収量は3.2kgと著しく低かった。今後は、さらに上位花序着生位置を含めた樹幹髄部についての調査が必要である。カブダチクジャクヤシでは、1本当たりのデンプン収量はサゴヤシに大きく劣るが、植物体が小さく取り扱いが容易であり、密植による収量向上が可能である。なお、カブダチクジャクヤシのデンプンは、サゴヤシデンプンに比べてアミロース含有量がやや高く、最高粘度が低い傾向を示した。
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