東京農業大学、鹿児島大学、国際熱帯農業研究所(IITA:ナイジェリア)および作物研究所(CRI:ガーナ)の連携協力を具体的な形とし、日本の先進的な研究開発力とIITAおよびCRIの実践的な技術開発力を機能的に連動させながら研究を行った。特に、西アフリカのヤムイモとキャッサバについて、育種と栽培面からの生産性の向上を検討するとともに、ポストハーベストの実態を明らかにして作物資源としての経済的発展性について調査を行った。 主な成果は次のとおりである。1.ヤムイモ種苗生産技術の開発は実証試験を終了して普及へ移した。2.ヤムイモの周年栽培を農家レベルで試行し、その結果を海外学術誌に発表した。3.ヤムイモとキャッサバの貯蔵および流通技術の改善について、貯蔵、流通および加工実態、ポストハーベストに関する調査をナイジェリアとガーナで実施し、その結果を学会で報告した。4.新技術の普及における農家経済への影響に関して、伝統的営農様式を踏まえた新技術普及ポテンシャルの解析と農家の経営戦略指針を作成するための調査をガーナで実施し、取りまとめを行った。5.小規模農家の所得向上に関する研究について、ナイジェリアの小農を対象にイモ類の種苗生産および周年栽培技術の研修をIITA(共同研究員の菊野日出彦)と行った。これらの結果は産経新聞(平成20年8月29日朝刊)、NHKBS放送(同9月25日)今日の世界の特集「気候変動最前線:ヤムイモは地球を救う」、NHKBS放送(平成21年4月25日)特集番組「イモは世界を救う」で紹介された他、平成20年12月1〜4日にチューリヒ工科大学で行われた国際ヤムイモワークショップで発表した。
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