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2009 年度 実績報告書

侵入害虫の定着と種分化への道

研究課題

研究課題/領域番号 18405023
研究機関神戸大学

研究代表者

竹田 真木生  神戸大学, 農学研究科, 教授 (20171647)

研究分担者 五味 正志  県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (80316132)
キーワード生活史 / 休眠 / 温暖化 / 種分化 / 生殖隔離 / 概日リズム / 寄生蜂 / 化性
研究概要

北米産のアメリカシロヒトリまだら頭型の3個体群の休眠誘導の光週反応および発育形質の調査を行った。その結果、Woodburn(45.1°N,122.9°W)およびPullman(46.7°N,117.1°W)個体群と比較して、Cle Elum(47.2°N,120.9°W)個体群では休眠誘導の臨界日長や発育形質にかなり違いが認められた。Bordmanの個体群の休眠は他の北西部のものと比べ深い。このように北西部の個体群には生活史・休眠形質に顕著な違いがあることが明らかになった。これまで、まだら頭型の生活史についてはまったく調査されておらず、本種の北米での分化を考える上で重要な知見が得られた。またミシシッピ州の赤頭型の発育パラメータ、光周反応を調べた。ほぼ同地域に分布するルイジアナ州の黒頭型との生活史、化性の分化が明らかになった。交雑実験を行ったところ、交雑は1方向においては可能(赤頭雄x黒頭雌)で、次世代も生存力があることが分った。また発育速度は雌親の影響が強く現れた。羽化リズムの位相も赤頭型と黒頭型は分離し、まだら頭型は赤に近かった。これらのことから、生殖隔離機構は部分的に成立していることが分った。
日本のアメリカシロヒトリ黒頭型の北陸個体群の生活史進化については、特に温暖化との関係について調査を行った。その結果、1990年代半ばまで2化性の生活史であることが確認されていた福井市個体群が、近年になって3化性に変化しており、3化性個体群の分布域が北上していることが明らかになった。この成果は、温暖化が昆虫に与える影響を評価する上で重要な知見である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Northerly shift in voltinism watershed in Hyphantria cunea(Drury)(Lepidoptera : Arctiidae)along the Japan Sea coast : Evidence of global warming?2009

    • 著者名/発表者名
      Gomi, T., K.Adachi, A.Shimizu, K.Tanimoto, E.Kawabata, M.Takeda
    • 雑誌名

      Applied Entomology and Zoology 44

      ページ: 357-362

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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