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2009 年度 実績報告書

インドネシアが分子進化上の起源地と推測される東アジアのイノシシ属の遺伝子調査

研究課題

研究課題/領域番号 18405034
研究機関岐阜大学

研究代表者

石黒 直隆  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)

研究分担者 猪島 康雄  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20355184)
キーワードイノシシ / ミトコンドリアDNA / 分子進化 / インドネシア / 系統解析 / 家畜化 / 起源
研究概要

本研究の目的は、東アジアのイノシシ属(野生イノシシと家畜ブタ)の起源が、インドネシアにあるとの仮説を証明するため、インドネシアに生息する野生イノシシからDNAを分離し、アジアおよびヨーロッパのイノシシと比較することにより、イノシシの分子進化を明らかにすることである。本年度はインドネシア・シュラベシ島の北部、中部、南部とパポアニューギニアに生息するイノシシに関して詳細に解析して遺伝的多様性を明らかにした。本年度の主な成果を下記する。
1.インドネシア・ボゴール大学の4名の教員と共に、平成21年11月2日~7日までシュラベシ島を訪問し、現地の猟師と共に野生イノシシの試料を採集した。訪問期間中、20頭からDNAサンプルを得た。
2.平成22年2月1日~2月18日まで、ボゴール大学の若手教員2名とガジャマダ大学の若手教員1名を招聘し、インドネシアにて採取したDNAサンプルのミトコンドリアDNA解析を行った。
3.シュラベシ島の北部、中部、南部に生息する野生イノシシ44サンプルとパポアニューギニアから4サンプルを採取しDNA解析を行った。その結果、合計48サンプルは27のハプロタイプの遺伝子型に分類された。この結果より、シュラベシ島に生息する野生イノシシSus celebensisは、極めて遺伝的多様性に富んでおり、家畜化の形跡は観察きれなかった。
本年度のシュラベシ島の調査により、シュラベシ島に生息するSus celebensisは、遺伝的な多型に富み地方集団を形成して人による家畜化の影響はみられなかった。インドネシアの生物相はフォーレスラインをはさんで大きく二分される。シュラベシ島を除いて、フォーレスラインの東に位置する島のイノシシはヒトの移動に伴いSus scrofaが持ち込まれた可能性が高いことが4年間の調査により検証された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] イノシシ、ブタの進化について2009

    • 著者名/発表者名
      石黒直隆
    • 雑誌名

      LABIO 21 35

      ページ: 16-19

  • [雑誌論文] Mitochondrial DNA analysis of the Japanese wolf (Canis lupus hodophilax Temminck, 1839) and comparison with representative wolf and domestic dog haplotypes2009

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro N., et al
    • 雑誌名

      Zoological Science 26

      ページ: 756-770

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      石黒直隆
    • 雑誌名

      食糧の獲得と生産「DNA分析による弥生ブタ問題」(同成社)

      ページ: 104-116

  • [学会発表] 家畜ブタを含めたイノシシ属の系統とその起源2009

    • 著者名/発表者名
      石黒直隆
    • 学会等名
      日本獣医学会
    • 発表場所
      鳥取県 とりぎん文化会館
    • 年月日
      2009-09-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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