研究課題
トリパノソーマ原虫症流行地のザンビアとジンバブエ国境付近のローワザンベイジ地方で調査した。ツェツェトラップを用いてツェツェバエ(Glossina pallidipesおよびGlossina morsitans)を採取し、DNAを抽出した。得られたツェツェバエからのトリパノソーマ遺伝子陽性率は、Trypanosoma bruceiは18.2%(90/492匹)、Trypanosoma vivaxは2.8%(14/492匹)およびTrypanosoma congolenceは7.3%(36/492匹)であった。トリパノソーマ感染ツェツェバエ112匹中41匹(36.6%)より哺乳類動物由来遺伝子が検出され、その吸血宿主は、ヒト(Homo sapiens)、アフリカゾウ(Loxodontacyclotis)、アフリカバッファロー(Syncerus caffer)、イボイノシシ(Phacochoerus africamus)、クードゥー(Tragelaphus strepsiceros)およびローンアンテロープ(Hippotragus equinus)であった。ヤギについてトリパノソーマ遺伝子の検出を行なったところ、Trypanosoma bruceiは40.6%(35/86頭)、Trypanosoma vivaxは4.6%(4/86頭)およびTrypanosoma congolenceは16.3%(14/86頭)であった。今回の調査で、ローワザンベイジ地域において採取したツェツェバエより、高率でトリパノソーマ遺伝子が検出された。この他、フィリッピン(水牛からの5株)ならびにパラグアイ(乳牛からの3株)から得られたトリパノソーマDNAについても解析を進めている。
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Acta Tropica 105
ページ: 269-273
Vector Borne and Zoonotic Diseases (in press)