研究課題/領域番号 |
18405038
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80137900)
|
研究分担者 |
角田 勤 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (80317057)
斑目 広郎 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20173768)
|
キーワード | Rhodococcus equi / 病原性プラスミド / モンゴル / 伝播経路 / 強毒株 / 馬 / 感染症 / 起源 |
研究概要 |
ロドコッカス・エクイ強毒株の病原性プラスミドの分布を日本在来馬の伝播と分布に対比させることで、病原体の伝播を日本在来馬の祖先の末裔と考えられる蒙古馬に至るまで遡り、その起源を解明する目的で、これまで研究を行い、モンゴルでは予想に反して本菌が分離できなかった。昨年の予備調査でモンゴルKhovd県、Khentii県、Sukhbaatar県、Selenge県の牧場から得られた成馬血清543検体を用い、ATCC6939抗原ELISAによってR.equiに対する抗体応答の測定を行ったところ、Selenge県の同一牧場から得られた3検体が高い抗体応答を示し、本菌感染症の存在が示唆された。平成18年度にモンゴルSelenge県で採取された馬血清(成馬29検体、仔馬8検体)についてATCC6939抗原ELISA、VapAペプチド抗原ELISA、ウエスタンブロット法を行ったところ、1検体の仔馬血清が高い抗体価を示し、VapA抗原に反応する抗体が検出され、モンゴルにおけるR.equi感染症の存在が示唆された。そこで今年度はSelenge県における成馬と仔馬の疫学調査を行った。Selenge県の2つの地域にて採材された成馬糞便36検体、仔馬糞便7検体、土壌7検体、地域内の糞便2検体のうち、成馬糞便13検体、仔馬糞便3検体、土壌1検体から300菌株のR.equiが分離された。このうち成馬糞便1検体と仔馬糞便3検体から分離された130菌株が強毒株であり、そのプラスミド型は85kb-I型であった。このプラスミド型は日本と韓国には分布せず、Selenge県における調査地域がロシアに近かったことから、今後はモンゴルと交流のあるロシア国境地域における強毒株病原性プラスミドの分子疫学調査が必要となった。
|