1.アーキアのセレノシステイルtRNA^<Sec>生合成においては、O-ホスホセリルtRNA^<Sec>キナーセ(MJPSTK)によるセリルtRNA^<Sec>からの0-ホスホセリルtRNA^<Sec>合成過程が必須であると考えられていた。しかし、メタン生成好熱性アーキアMethanocaldococcus jannaschii由来のSelD、MJPSTK、セレノリン酸合成酵素(MJSecS)のin vitro解析を行った結果、MJPSTKとSelD依存的な経路とMJSecSとSelD依存的な経路の二つの独立した経路によりセレノシステイルtRNA^<Sec>が生成されることを見いだした。 2.特殊なセレンタンパク質を持つ微生物を探索した。Geobacter sulfurreducensに全く新たなc型シトクロム様セレンタンパク質が存在する可能性を見出した。G.sulfurreducensのGSU2937-GSU2936は、ストップコドンよりも上流のORFによりコードされるN末端側にヘムを結合する可能性のあるCXXCHモチーフを5つ持つ。しかし、マルチヘムタンパク質として知られるcytochrome c nitrite reductaseやhydroxylamine oxidoreductaseとのアミノ酸配列一致は12%に満たないことから、これらとは異なる機能を持つ新規タンパク質であると考えられた。
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