研究課題/領域番号 |
18406009
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鳥居 本美 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20164072)
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研究分担者 |
金子 修 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50325370)
橘 真由美 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教務職員 (00301325)
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キーワード | マラリア / 感染症 / 三日熱マラリア原虫 / ロゼット形成 |
研究概要 |
マラリアは世界中で年間2-3億人の感染者、150万人の死者を出す重大な感染症である。最も重篤な症状を起こす熱帯熱マラリア原虫に比べて、死亡率が高くない三日熱マラリアは、優先度が低く見られがちであるが、他の感染症との合併による間接的な死亡や体力低下に伴った生産性の低下による経済的損失が多大で、東南アジアを中心に非常に問題となっている。マラリア原虫はヒト体内では赤血球内で増殖するが、熱帯熱マラリア原虫は感染した赤血球の表面に原虫由来の接着物質を発現し、脳の末梢血管内壁に接着することで重症化し、また、未感染の正常赤血球にも接着し(ロゼット形成)、病原性を高める。一方、三日熱マラリア原虫もロゼット形成を起こすことを海外共同研究者のUdomsangpetch博士らが見出し、病原性との関連が予想された。ロゼット形成に関与する三日熱マラリア原虫のリガンドは、"Vir"と呼ばれる分子量約35kDのタンパク質だと考えられているが、ゲノム解析により、Virはゲノム中に数百のコピーをもつ多重遺伝子族にコードされることがわかってきた。まず、数百もあるVirのうち、どのような型が転写発現されているのかを明らかにするために、流行地で得た三日熱マラリア原虫からRT-PCR増幅し、塩基配列の同定を行った。現在も、症例数を増やして解析を行っている。また、(2)ロゼット形成に関与する特定の型のVirがあるのかどうかについて検討を行った。
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