研究課題
ガンビエハマダラカの集団遺伝学的変異・地域間隔離程度についてアフリカ大陸横断的研究が2000年以降に米国の研究グループにより行われた。この結果アフリカ東西でガンビエハマダラカの遺伝的隔離がもっとも大きいのはエチオピアからケニアタンザニアの南北に走るグレートリフトバレーの乾燥地帯をはさんだ東西集団であり、ケニア東側からはアフリカの西側集団と遺伝的変異に乏しい連続した集団を形成していることが明らかにされた。このためケニアの東西の集団を調査地に含めればアフリカ大陸で見られる遺伝的多様性の2極を押さえることができる。このような観点からガンビエハマダラカを含めマラリア媒介蚊をケニア東部の海岸部、西部の内陸部、ガーナの中央部、南部の海岸部で雨季乾季にわたり採集と蚊の種類、吸血源動物の同定を行った。これまでの調査から蚊による吸血リスクに関する人々の生活習慣が地方や民族間で大きく異なることが明らかになった。例えば、タンザニアとガーナの海岸地方の村では、日没後屋外で睡眠をとり深夜以降は屋内に移動して睡眠をとる習慣が見られた。このような生活習慣は蚊の吸血行動にどう影響するのかまったく研究されてきていない。ケニア東西および西アフリカの熱帯雨林帯、乾燥地帯を調査地に含めた本研究は遺伝的変異、地域的気候変異、潜在宿主動物の分布がどのように蚊の吸血行動に影響しているのかについてアフリカ大陸横断的議論を可能にする。
すべて 2008
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Journal of the American Mosquito Control Association 24
ページ: 61-9
Molecular Ecology Resources 8
ページ: 512-8
ページ: 404-9