研究課題/領域番号 |
18406013
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90137117)
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研究分担者 |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
橋口 義久 高知大学, 医学部, 教授 (10037385)
我妻 ゆき子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40400676)
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キーワード | リーシュマニア症 / 尿検体 / LAMP法 / バングラデシュ / 免疫診断 |
研究概要 |
(1)尿診断法による住民検診および追跡調査 2006年度に従来の調査地Rajshahiに加え内蔵リーシュマニア症の最大の流行地であるMymensinghで行った約5,000人の疫学調査、および2007年度に行った約1,500人の追跡調査の結果の解析を継続中である。尿中あるいは血清中の抗体陽性者は400人(8%)であり、両検査とも陽性の者は133人(全体の2.7%)であった。内臓リーシュマニア症の早期発見に尿診断法が役にたっているかどうかを確認できるものと期待される。 (2)LAMP法、FTAろ紙の応用 確定診断には骨髄や脾臓からの生検材料中に原虫を検出するが、設備の整った病院でしかできず、患者の負担も大きい。昨年度開発した、原虫DNAをPCR法よりも高感度に検出するLAMP法を用いたところ、FTAろ紙に採取した血液からでも原虫DNAを検出することができた。FTAろ紙の採用により、流行地住民からの血液検体採取を簡便にし、また採取後常温で保存できることから、LAMP法の応用範囲を広げることができた。 (3)原虫キャリアーの発見と発症要因の解析 リーシュマニア原虫検査は、上記(2)のように困難であるために、症状からこの疾患が疑われる患者でしか行われていない。従って、無症状で原虫を持っている原虫キャリアーの存在については、全くわかっていない。我々は抗体陽性者の中に原虫キャリアーがいると考え、Rajshahiの調査地において抗体陽性者150人から採取した血液を用い、高感度なLAMP法で原虫の検出作業を現在行っている。原虫キャリアーが見つかれば、今まで全く考慮されてこなかった感染源の発見となるとともに、これまでに蓄積された抗体価の推移のデータから、発症要因の解析が可能となる。
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