研究概要 |
われわれは、ブラジルでG1P[8]単価ロタウイルスワクチンが定期接種に導入されて以来,ロタウイルス下痢症が減少する一方,ワクチン株とは遺伝子型が異なるG2P[4]株の相対頻度が高くなったことを見出した。しかし、単価ワクチンの臨床試験が行われていたときに流行の主体を占めていたロタウイルス株はG1P[8]株であり,単価ワクチンのG2P[4]株に対する有効性は十分に検証されていなかった。本研究では,G1P[8]単価ワクチンのG2P[4]株に対する有効性を症例対照研究により検証した。本研究の結果,G2P[4]株による重症下痢症に対して,単価ワクチンの予防効果は77%であり,入院例に対する予防効果は83-85%であった。単価のロタウイルスワクチンであっても血清型の壁を超えて発症予防に有効に働く免疫を賦与するものと思われた。
|