研究課題
CD7 2はC型レクチン様ドメインを持つ膜分子で、Bリンパ球抗原受容体を介するシグナル伝達を負に制御することによりBリンパ球の活性化を制御する。ヒトおよびマウスCD7 2には遺伝子多型がある。ヒトのCD7 2多型は特定のFc受容体ハプロタイプを持った集団での全身性エリテマトーデス発症リスクを規定するとともに、血小板減少性紫斑症の発症リスクも規定することが示されている。また、昨年度の本研究で、我々は、CD7 2の特定のハプロタイプがSARSの重症患者で多い傾向にあることを明らかにし、感染症抵抗性も規定することを示唆した。そこで、CD7 2のハプロクイプ間での機能の差について検討を行なった。ヒトCD7 2は通常の全長型CD7 2とともに選択的スプライシングによりエクソン8を欠損するCD7 2Δex8を産生する。我々は、CD7 2ハプロクイプの異なる健常人からBリンパ球を単利し、全長型CD7 2およびCD7 2Δex8の発現をウエスタンブロッティングおよびフローサイトメトリーで測定したところ全長型CD7 2タンパク量はハプロタイプ間で差はないが、CD7 2Δex8タンパクの産生がハプロタイプ間で有意に差があることを明らかした。CD7 2Δex8をB細胞株WEHI-231に導入してその機能の解析を行なったところ、CD7 2Δex8がB細胞のアポトーシスを増強すること明らかにした。さらに、全長型がおもに細胞表面に分布するのに対してCD7 2Δex8は主に小胞体に局在し、小胞体ストレスおよび小胞体ストレスに伴うアポトーシスを増強することを明らかにした。この知見は、CD7 2多型が選択的スプライシングを制御することによりCD7 2Δex8タンパク産生を制御し、その結果小胞体ストレスを介してB細胞の細胞死を制御することにより、自己免疫や感染免疫を制御することを強く示唆する。
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