研究課題
トリクロロエチレンによる18年度に収集したサンプルについて、サイトカイン、HHV6量,HLA-B*の多型、パッシブ型サンプラーと作業者の尿中トリクロロエチレン代謝物によるトリクロロエチレン曝露濃度の評価、を行い、トリクロロエチレン曝露とこれらの環境的・個体的要因との関連性を考察することが目的である。パッシブ型サンプラーを用い、GC-MSで測定したトリクロロエチレンの個人曝露濃度は0.7~97.3ppmであった。日本の許容濃度(25ppm)を超えたトリクロロエチレン曝露を受けていた労働者は30名中たった1名であった。トリクロロエチレン以外にトルエンとメチルエチルケトンが検出されたが、高々0.3ppmであった。一方、尿中代謝物(トリクロロ酢酸)が日本産業衛生学会許容濃度委員会で定めている生物学的許容値(50mg/L)を超えていた労働者は71名中28名であった。即ち、モニターによる個人曝露濃度からは想像できない量の代謝物が検出されており、調査日以前の高濃度トリクロロエチレン曝露があったことが判明した。パッシブ型サンプラーによるトリクロロエチレン個人曝露濃度と尿中代謝物量との関連をみると、代謝物量から推定される個人曝露濃度が実測値を遥かに超えている労働者が多く、この理由を明らかにすることが必要である。労働者の中には、1ヶ月殆ど休暇なく、長時間労働しているものが多く、労働形態の改善が必要である。71名のトリクロロエチレン作業者から採血した血液を用いて、サイトカイン、HHV6、HLA-B*1301多型を測定した。TNFαとIL10がそれぞれのカットオフ値を超えているものは8名。HHV6の再活性化が認められた者は10名であった。HLA-B*1301多型を保有する者はいなかった。
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http://www.med.nagoya-u.ac.jp/hygiene/index.html