研究課題/領域番号 |
18406023
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
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研究分担者 |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40198461)
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90257452)
森河 裕子 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (20210156)
本多 隆文 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60097441)
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キーワード | カドミウム / 動脈硬化 / 腎障害 / 血圧脈波 / 疫学調査 / セレニウム / カルシウム |
研究概要 |
カドミウム(Cd)汚染地域住民における動脈硬化とCd暴露との関連性について検討するために、肥満血清脂質、HbA1cなどのリスクファクターと共に、血管病変のスクリーニングに有用な方法の一つである脈波伝播速度(PWV)を測定し、暴露指標である尿中Cdや腎障害の指標である尿中β2ミクログロブリン(MG)との関連性を検討することを目的として、汚染地域には指定されていないが、日本の中ではCd負荷量が高いと考えられる、富山県黒部市在住の50歳以上の某企業従業員および退職者251名を対象として疫学調査を行った。その結果、腎障害の指標であるβ2-MGと左右のPWVの間には有意な正の相関が認められた。今後さらに、年齢、血圧などの交絡因子を考慮した検討を進めていく予定である。また、尿中アルブミン(ALB)ともPWVは正の相関を認め、Cdの増加に従ってALBも増加することから、微量アルブミン尿とPWVの関連性も検討していく必要がある。 タイ国メーソット地区における疫学調査については、18年度はタイ人スタッフのPWVの測定および尿中の腎障害マーカー測定、およびCdの腎および骨への影響についてのタイ人スタッフの理解を深める研修を行い、来年の疫学調査を実施する基盤づくりを行った。19年に調査が予定されている。 また、セレン(Se)はCdとの拮抗作用が知られているだけでなく、抗酸化物質の一つに数えられ、動脈硬化との関連性が報告されている微量元素であるが、尿中Seの原子吸光法を用いた簡易測定方法を確立し、多数の尿サンプルの測定を可能にした。富山県の対象者についての測定を現在進めている途中である。
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