研究課題/領域番号 |
18406026
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
横山 和仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (00158370)
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研究分担者 |
北村 文彦 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20301145)
木田 博隆 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00402678)
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
千葉 百子 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (80095819)
モーセン ビージェ 労働安全英紙絵総合研究所, 国際情報・労働衛生研究振興センター, 研究員 (80455485)
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キーワード | 妊婦 / 胎児 / 鉛 / 微量金属 / 生殖機能影響 |
研究概要 |
近年、内分泌かく乱物質をはじめとする各種環境化学物質の低濃度曝露によるヒトへの健康影響、とりわけ次世代に継代されうる生殖影響、あるいは胎児への急性・慢性毒性影響が世界規模で危惧され、その実態解明は急務である。こうした中で、鉛および農薬というグローバルに使用されている環境化学物質と生殖・胎児毒性影響との因果関係を明らかにすることは、人類の存続に直接関わる生殖機能を正常に維持し、次世代を担う胎児の健全な出生をサポートするための医学的方策を決定する上で極めて重要である。本研究では、鉛または農薬(有機リン)の非職業低濃度曝露を有する女性の妊娠、出産に至るまでの生殖機能影響、ならびにこれらの女性由来の胎児・新生児に出現する先天異常障害の量一影響(反応)関係を明らかにするため研究を進めた。 研究対象は、イランと中国の大学付属病院に出産の目的で訪れる妊婦、その配偶者および胎児である。これらの妊婦・配偶者に予め同意を得た上で、以下を収集した。(1) 母親(妊婦)の静脈血および臍帯血(出産時)、尿。(2) 常用する食物、飲料水、薬品(民間薬等があれば)、化粧品のサンプル。(3) 母親と父親(配偶者)の年齢、体重、身長、血圧、教育歴、収入、職歴、喫煙・飲酒、既往歴(周産期異常を含む)、飲料水供給源(水道、井戸など)、牛乳消費量および母親の分娩形態、妊娠・出産歴等。(4)新生児の出産週齢、身長、体重、頭囲、胸囲、Apgar score、先天異常等。 本年度は収集したデータを数理統計学的に解析し、臍帯または母体血ないし母体尿中の鉛ほかの微量金属レベルと妊娠・分娩異常や胎児・新生児の障害との関係を検討した。低濃度曝露レベルであるが、イランの調査から鉛が流産の危険因子となりうる可能性が、中国の調査においてはヒ素が低体重児出産に影響する可能性が示唆された。
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